HBO

D2Cサービスの構築とスケーリング支援

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Summary

HBOとReaktorの協業は2014年に始まりました。以来、HBOは世界最大級のコンテンツストリーミングプラットフォームへと成長し、HBOおよびHBO Maxの加入者数は全世界で7,500万人を超えています。

7年以上にわたるパートナーシップの中で、両社は数多くの成長と発展の段階を共にしてきました。『ゲーム・オブ・スローンズ』プレミア放送夜の視聴者数を最大化するための大規模なインフラ改善から、世界中のコンテンツパートナーによる簡単なアップロードとカスタムスケジューリングを可能にするプレビューシステムの構築に至るまで、その取り組みは多岐にわたります。HBOの戦略的な手腕は、競争が激化する市場で戦うための技術開発を可能にしてきました。

この協業における重要なテーマの一つが、HBOのD2C(Direct-to-Consumer)チャネルの構築とスケーリングです。ReaktorはHBOと協力し、まず第三者プラットフォームからHBO独自の技術スタックへのユーザー移行(サイレントマイグレーション)を実施して強固な技術基盤を構築。最終的には、HBOのD2Cサービスを世界55カ国以上へシームレスに拡大させる成果を上げました。


Highlights

数百万ユーザーの移行を成功裏に実施

第三者プラットフォームからHBO独自の技術スタックへ、ユーザーに影響を与えないサイレントマイグレーションを実行

D2C機能のローンチ

より多くの人々がHBOへ直接アクセス可能になるD2C機能を導入

グローバル決済システムの展開

5つ以上の決済プラットフォームに対応し、55カ国以上への展開を可能にする、スケーラブルなバックエンド決済処理システムを構築

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シームレスなユーザー移行

2016年当時、HBOはユーザー基盤を二つのプラットフォームに分散させていました。一つはMLBAM (MLB Advanced Media) 上で稼働する「HBO Now」、もう一つは自社開発の「HBO GO」です。この分散状態はコストがかさむだけでなく、HBOが自社の技術と開発プロセス全体を完全にコントロールできない状況を生み出していました。

ReaktorはHBOと協力し、同社の独自コードベースに取り組みました。Reaktorのチームが担ったのは、MLBAM上で管理されていたHBO Nowの全アカウントを、ゼロダウンタイムかつユーザーに全く影響を与えずにHBO独自のプラットフォームへ移行する方法を計画・実行することでした。このプロセスは2016年半ばに開始され、2017年半ばに最初の移行が実施されました。当初は段階的にバッチ処理で行われ、最終的には大規模な移行が実現しました。

移行以前、HBOは自社コードベースとMLBAMという二つの異なるプラットフォームおよび開発組織間で、機能が重複したり相互補完的になったりする制約に直面していました。すべてを自社管理下に置くことで、あらゆるプロセスが簡素化されました。新機能のローンチはより容易になり、新しい機能やサービスの提供スピードは大幅に向上しました。この効率化はユーザー数の増加にも明確に表れています。2016年時点でMLBAM上のHBO Nowユーザー数は80万人でしたが、移行が完了した2017年末には200万人に増加し、2018年にはさらに500万人へと成長しました。

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D2Cサービスの開始とHBO Maxの構築

ユーザー移行の成功により、HBOは次のステップ、すなわちD2Cサービスの開始へと舵を切ることができました。これにより、ユーザーは第三者のアプリを経由せずとも、HBOのウェブサイトから直接「HBO NOW」へのアクセス権を購入できるようになりました。このサービスは2018年後半に開始され、HBOのさらなる成長期を牽引しました。

その一方で、HBOとAT&Tの合併は、新たな機会をもたらしました。HBO、Turner、そしてWarner Bros.のコンテンツを結集した新しいプラットフォーム、後の「HBO Max」となるサービスの構築計画が持ち上がったのです。このプロジェクトは2019年6月に始動。Reaktorはヨーロッパと米国に5つの専門チームを編成し、HBO Maxのフロントエンドおよびバックエンド双方の開発に注力しました。

HBO Maxは2020年5月に無事ローンチを果たしました。2021年末には、米国内のHBO Max加入者数は4,350万人に達しました(2018年の500万人と比較)。

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D2Cサービスを55カ国以上へ展開


次のフェーズは、HBO Maxの国際展開でした。グローバル展開における主な課題はバックエンドシステムにありました。HBOがターゲットとする全ての国でサービスを開始するには、複数の決済プラットフォームとの連携が不可欠でした。

スケーラブルなバックエンド決済処理システムの構築作業は何年も前から開始されていましたが、多岐にわたる国々の異なる決済プラットフォームに対応することは依然として大きな挑戦でした。複数の地域にまたがるいくつかのチームが連携し、最終的に6つの異なる決済プラットフォームを統合した3つの大規模な国際ローンチを実現しました。展開は段階的に行われ、まず2021年6月にラテンアメリカで開始、続いて2021年末から2022年初頭にかけてヨーロッパで2段階に分けて実施されました。

その結果、HBO Maxは世界55カ国以上への展開を成功させました。今日、HBOの総ユーザー数は8,000万人を超え、世界最大級のコンテンツストリーミングプラットフォームの一つとして確固たる地位を築いています。

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主な成果

  • MLBAMからHBO NOWへの80万ユーザーのシームレスな移行
  • HBO NOWからHBO Maxへの500万以上のユーザーのシームレスな移行
  • スケーラブルなバックエンド決済処理システムの構築
  • 米国内における決済プロセッサの単一から複数への拡張
  • 国際展開に伴う新たな決済プロセッサの統合
  • 55カ国以上へのスムーズかつ成功裏な国際展開
  • Amazon Web Services (AWS) を活用したスケーリング