PVH

トミー ヒルフィガー: オムニチャネル・ロイヤルティ体験の実現

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Summary

世界40カ国以上で事業を展開するグローバルライフスタイルカンパニー、PVH社 (PVH Corp.)。同社はその象徴的なブランドの一つであるトミー ヒルフィガー (Tommy Hilfiger) の会員・ロイヤルティ体験を刷新すべく、長年にわたるパートナーであるReaktorとの協業を継続しました。目標は、チャネル間で分断されていた顧客体験(マルチチャネル)を、あらゆる接点で一貫性のある体験(オムニチャネル)へと進化させること。その実現に向け、両社は統一された会員・ロイヤルティ体験の基盤構築に取り組みました。


Highlights

主要2市場でのロイヤルティプログラム開始

ロイヤルティプログラム「Tommy Together」の主要2市場での開始、および今後のヨーロッパ全域への展開予定

あらゆるチャネルを支える会員プラットフォーム

全チャネルでシームレスな会員機能を提供するための、システム連携された堅牢な会員プラットフォーム構築

新たな会員体験を可能にするAPI基盤

将来の多様なアプリケーション開発を可能にする、システム間常時連携を実現する共有APIバックエンドの開発

チャネル横断でのスムーズなデータ連携

欧州全市場のあらゆる接点(チャネル、アプリ、サービス)間でデータをスムーズに連携させる単一ロイヤルティエンジンの実現

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背景

2022年春、PVH社は、ブランド価値向上、デジタル化推進、そしてDTC(Direct-to-Consumer)ビジネス主導の成長を目指す、複数年にわたる戦略計画を発表しました。その中で、会員とのエンゲージメント(会員ジャーニー)を将来にわたって強化・発展させていくため、その基盤となるテクノロジー構築の戦略的パートナーとしてReaktorが選ばれました。

トミー ヒルフィガーの店舗(オンライン・オフライン)への年間ユニーク顧客訪問数は2億1,000万人にのぼり、ヨーロッパ26カ国で800万人以上のアクティブ会員を擁します。このことから、ロイヤルティプログラムは、ブランドと顧客の結びつきを強める上で極めて重要な要素と位置づけられていました。

目標達成には、顧客一人ひとりのニーズを深く理解し、どのチャネルを利用していてもその顧客を認識し、購入頻度に関わらず、それぞれに最適化された効果的なアプローチを提供することが不可欠でした。しかし、利用チャネルの多様化は、顧客がどの接点でブランドに触れても一貫した体験を提供することを困難にしていました。


「従来のロイヤルティプログラムは、どうしても購入金額に応じたインセンティブが中心になりがちです。私たちトミー ヒルフィガーが目指すのは、単に購買額の多寡で判断するのではなく、お客様一人ひとりの価値観に寄り添い、より深い関係性を築くことです。そのためには、将来的なプログラムの拡張や変更にも柔軟に対応できる、強力なバックエンド基盤を持つロイヤルティプログラムが不可欠でした。そこでReaktorに協力を依頼しました。」

Lyudmyla Baron

PVH、マーケティングテクノロジー責任者


サイロの打破

一貫した顧客体験を実現する上で最大の障壁となっていたのが、技術と組織、双方に存在する「サイロ」でした。技術面では、個々のシステムやサービスが連携せずに独立して存在し、全体としてデータが分断されている状態でした。その結果、チームは顧客の全体像を把握できず、データに基づいた的確なビジネス目標を設定することが困難でした。

組織間の壁も同様のボトルネックを生んでいました。部門間で情報がスムーズに共有されなければ、関係者全員が共通認識を持って優先順位を決め、一貫したビジョンに向かって進むことはできません。

ReaktorはPVH社と協力し、これらのサイロの解消に取り組みました。具体的には、Apache Kafkaを活用し、各チャネルが効果的に情報をやり取りできる統合プラットフォームを構築。さらに、会員プログラム担当、eコマース担当、店舗担当の各チームと連携し、プログラムが目指すべき共通の目標を設定しました。この部門横断での連携と、新たに構築したデータ基盤により、それぞれのチームの目的達成に貢献するシステムを実現できたのです。

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将来を見据えた会員ジャーニーの構築

Reaktorが目指したのは、単体のユーザー向けアプリケーション開発に留まらず、PVH社が将来にわたって様々な新サービスやアプリケーションを構築していけるような、拡張性と柔軟性に富んだ基盤(ソリューション)を創り上げることでした。その一例が、全てのeコマースチャネルで共通化された新しい会員登録プロセスです。

この、あらゆる場面でスムーズなデータ連携を実現する基盤(ケイパビリティ)があることで、PVH社は今後、システム間の常時連携を保ちながら、多様なアプリケーション開発を進めることが可能になりました。


「Reaktorチームは、このバックエンド基盤をわずか5ヶ月で開発し、ローンチまで実現してくれました。複数の部門が関わり、オムニチャネルで顧客接点を持つこの規模のプログラムとイニシアチブにおいて、このスピードは驚くべき成果です。」

Lyudmyla Baron

PVH、マーケティングテクノロジー責任者


Reaktorの貢献

  • 顧客向けフロントエンドソリューションの開発
  • eウォレット連携機能の実装
  • 抽選機能の実装
  • 店舗におけるデジタルチェックアウトへの会員機能統合
  • 共有APIによるバックエンドシステムの開発
  • システム間データ連携基盤の構築(データエンジニアリング)
  • 堅牢な会員プラットフォームの開発