Summary
フィンランド最大の民間医療プロバイダーであるTerveystalo(テルヴェスタロ)は、フィンランドで2023年に新設された、公的医療・福祉サービスの提供を専門に行う広域行政区「Wellbeing county」向けの患者プラットフォーム構築に着手しました。Reaktorとのパートナーシップのもと、公的医療機関におけるアクセスの向上、コミュニケーションの効率化、そして断片化されたシステムの統合を目指し、大胆なデジタルトランスフォーメーションを推進しました。
このプラットフォームは、迅速な開発とアジャイルな協業を通じて設計、構築、そしてローンチされました。現在、3つのWellbeing countyで稼働しており、約100万人近い住民にサービスを提供、その数はさらに増え続けています。Terveystaloは、最も支援を必要とする人々に医療をより身近なものにすることで、フィンランドにおけるデジタルファーストなヘルスケアの新たな標準を確立しつつあります。
Project highlights
シームレスなデジタルヘルスケア体験の構築
患者と医療従事者をつなぐコミュニケーションを簡素化するヘルスプラットフォームの開発
より良い患者ケアのための医療システムの統合
フィンランド電子カルテシステムとの連携による、専門家向け一元データ確認環境の提供
ヘルスケアにおけるデジタルトランスフォーメーションの加速
機能的なプラットフォームの迅速な設計・構築・展開と、約100万人の住民への迅速なデジタル医療アクセス確保
スケーラビリティとカスタマイズ性を考慮した設計
柔軟なモジュール式アーキテクチャによる、複数Wellbeing countyへの展開、長期的適応性、インパクトの確保
「Reaktorは、私たちのデジタルビジネスを形作る上で、まさに最高のパートナーです。戦略や投資計画から、アーキテクチャ設計、UX、フルスタック開発まで、全ての段階で的確な専門知識を提供してくれました。Reaktorとの協業によって得られた柔軟性や拡張性、そして導入後の運用まで含めた優れたコスト効率は、私たちのデジタルビジネスを成功に導く上で不可欠でした。」
Jani Kykyri
Terveystalo 公共デジタルソリューション担当ディレクター
公的医療におけるアクセシビリティの向上
フィンランドの公的医療セクターは、深刻な課題を抱えていました。公的医療機関では、専門医の診察を受けるまでの待ち時間が非常に長く、また、患者が利用できる窓口も電話や直接訪問に限られていたのです。Terveystaloはこの課題を解決するため、主要なサービスを集約し、一つの分かりやすいデジタル窓口となるソリューションを提供しました。 これにより、Wellbeing county は、地域住民に対していつでもどこでもシームレスな医療アクセスを提供することが可能になりました。
患者は、自宅から24時間いつでも、簡単な自己診断(セルフチェック)や予約、医療専門家へのオンライン相談(リアルタイムチャット/非同期メッセージ)などが可能になり、長い待ち時間や通院の手間なく、必要なアドバイスを受けられるようになりました。 このプラットフォームは、患者の利便性を向上させるだけでなく、ケアパス(診療計画)の自動化により医療リソースの最適化を図り、対面診療を行うクリニックの負荷軽減にも貢献します。 結果として、Terveystaloのデジタルプラットフォームは、医療提供者が本来注力すべき、質の高いケアの提供に専念できる環境づくりを支援しています。
記録的な速さでの成果達成
Reaktorとのパートナーシップを通じて、完全に統合されたデジタルヘルスケアプラットフォームを1年未満という短期間で実現しました。このスピードを実現できた背景には、大胆な反復型開発のアプローチがあります。最初から全ての機能を盛り込むのではなく、MVP(実用最小限の製品)として早期にローンチし、実際の利用から得られるインサイトやユーザーの声をもとに継続的なプラットフォーム改善を行いました。
この迅速な開発は、以下の3つの原則に基づいて進めました。
- チャット、予約、安全な認証といったコア機能への注力
- エンドユーザーとの継続的な対話を通じた体験の改善
- 他の Wellbeing county への展開を容易にする、スケーラブルなモジュール式アーキテクチャの設計・構築
このような体系的かつ成果を重視したアプローチにより、Terveystaloのプラットフォームは、目前の医療課題に対応するだけでなく、将来のイノベーション創出やフィンランド全土へのサービス拡大に向けた礎となっています。
プラットフォームについて
Terveystaloのプラットフォームは、フィンランドの公的医療システムを支える、患者と医療従事者のコミュニケーションハブとして機能します。医師、看護師、その他の医療専門家とのリアルタイムチャットやビデオ相談を可能にするほか、電子カルテシステムとの連携により、予約調整や連絡といった管理業務の負担軽減にも貢献します。プラットフォームは、モバイル・デスクトップ双方のWebブラウザから利用可能です。
自治体や関連病院の責任者と協力して開発したこのプラットフォームは、Wellbeing county のニーズに特化して設計されています。完全にカスタマイズ可能で、医療提供者は地域の状況に応じてデザインや表示内容、提供サービスを柔軟に調整できます。単独での利用はもちろん、より包括的なサービスパッケージの一部として、外部システムやTerveystaloが提供する他のケア評価サービスなどと連携させることも可能です。
プラットフォームのローンチ以来、フィンランド国内での導入が広がり、利用者数は約100万人を超えています。導入によって、主に以下のような効果が生まれています。
- 患者による医療サービスへの直接的なデジタルアクセス
- 医療専門家における管理業務時間の削減
- プラットフォームの使いやすさがもたらす、患者の利用ハードルの低下
- 軽量な設計による、迅速かつ容易な導入プロセス
- フィンランドの医療制度の変化に対応するための継続的な新機能の追加
Terveystaloのプラットフォームは、Wellbeing county に優れたデジタルケアの手段を提供することで、フィンランドの医療をよりアクセスしやすく、効率的なものにすることに貢献しています。デジタルヘルスケア発展のための基盤は整い、今後もさらなる進化が期待されます。
数字で見る実績
3つの Wellbeing county におけるユーザー数(現在も増加中)
最適化された開発サイクルにより、ゼロからMVPの稼働までを実現
3つの Wellbeing county がチャット、予約、デジタルワークフローによる医療アクセスを提供
フィンランドの主要な患者記録システム間でのシームレスな電子カルテ(EHR)連携
Reaktorの貢献
- デジタルビジネス戦略策定
- 投資およびガバナンスに関するアドバイザリー
- アーキテクチャ設計
- UXおよびビジュアルデザイン
- フルスタック・ソフトウェア開発
- テスト自動化
- クライアントの電子カルテシステムとの連携
- デリバリープロジェクトマネジメント
- 営業および事業開発支援